【今治のお仏壇屋さんのコラム ~お仏壇の材料について①~】
2017-09-24
こんにちは、田中仏光堂です。
当店で取扱いのあるお仏壇を構成する木材の種類は30種類以上にものぼります。
今日はそんなお仏壇の材料となる木材について書かせて頂きます。
お仏壇は内部の細かいつくりや機能が多いため、家具の何倍もの部材で構成されております。
品質を保ち、長く安全にお祀りいただくために材料を適材適所に使い分けます。
当店で取扱いのあるメーカーでは、厳しい品質管理のもと、良質な木材を選別してお仏壇を製作しております。
【1】 紫檀
お仏壇の材料としては、最高級の木材です。硬い木質ですが、木肌は緻密なのが特長で、「紫」というより「赤茶」色をしています。
正倉院の唐木細工の中ではもっとも多く見られ、古来より珍重されてきました。
本紫檀、チンチャン、パーロッサなど紫檀にもさまざま種類があり、それぞれ個性がある美しさをもつ奥が深い材料です。
近年では良質な紫檀はなかなか取れずらくなっておりますが、紫檀で作られたお仏壇は風格があり非常に美しいです。
【2】 黒檀
黒檀は、世界で最も良質な木の一つで、唐木三大銘木の一つでもあります。
耐久性と質感の良さから、古来より彫刻、高級建築材、高級家具材、楽器などに使われています。
年輪ははっきりせず、木の中身も表皮も真黒な硬くて重い材料です。
そのため切削・加工は難しい材料ですが、油分が多く、磨けば磨くほど金属のように光沢が出て、重厚感のある美しさが特徴的な木材です。
黒檀にも種類がたくさんありますが、インドネシアのスラウェシ島で産出される黒檀が最も有名です。
近年は紫檀以上に取れにくくなっている木材で、年々貴重になっていています。
【3】 欅
「黄色いダイヤ」と呼ばれる欅は北海道を除く日本に自生し、広葉樹の王様とも言われ、古くから日本人に親しまれてきた銘木です。
耐湿・耐久性に優れ多くの寺社仏閣に使用されています。
材料は堅く、色合いは黄色身をおびた美しいオレンジ色をしています。
欅のお仏壇の特徴は長年お祀りしていると、材料の油分が出てくることにより、何ともいえない美しい艶がでてくることです。
【3】 シャム柿
シャム柿は中南米から中央アメリカに自生する分布する希少な木です。
色は黒檀に似て黒っぽい色合いをしています。
その特徴はなんといっても「バブル模様」です。
柾目に縞がはいり、バブル(泡)のような曲線を描く模様が不規則に入っています。
磨くと光沢が現れ、非常に美しいことから高級唐木仏壇に使用されます。
【4】 桑
クワ科の樹木で、北海道から九州に至るまで自生していますが、銘木」として使われる材料はきわめて少ないのが現状です。
材質は比較的堅く、強靭且つ光沢があるため、古くから良材として茶箪笥や工芸品等「江戸指物」の製造に多く使用されてきました。
江戸時代ころからお仏壇の材料としても使用され始め、現在は高級唐木仏壇の材料として使用されます。
【5】 屋久杉
屋久杉は鹿児島県屋久島だけに自生する、世界一の長命樹です。
樹齢千年以上のものを「屋久杉」それ以外のものを「小杉」と呼んで区別することもあります。
その年輪はきわめて緻密で、木目が美しいためお仏壇の材料としても使用されますが、
現在は伐採が禁止され土埋木・風倒木がわずかに産するだけの、将来の供給が途絶える恐れがある非常に貴重な木材です。
いかがでしたでしょうか?
ご紹介させて頂いたのは、ほん一部です。
続きはまた次回 ご紹介させて頂きます。
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