【今治のお仏壇屋さんのコラム ~お仏壇の材料について②~】
2017-10-02
こんにちは、田中仏光堂です。
前回で書かせて頂いたコラムの続きをお送りしたいと思います。
前回は伝統的なお仏壇によく使われる木材を中心にご紹介させて頂きました。
今回はモダンなお仏壇によく使われる木材をご紹介させて頂きたいと思います。
【1】 ウォールナット
落ち着いた気品と柔らかい色調を持ち、マホガニー、チークと共に世界三大銘木の一つに数えられる木材です。
クルミ科の落葉広葉樹で、原産地はアメリカ東部及びカナダのオンタリオ州などです。
狂い(木材が変形すること)は少なく、加工性がよく、着色もしやすいという点から古くから高級家具や工芸品の材料として用いられてきました。
近年では高級モダん仏壇などに使用されます。
【2】 タモ
タモはトネリコ属の樹木で、日本では北海道が主産地の木材です。
家具にも使用されますが、有名な用途としては野球のバットやホッケーのスティックなどにも使用されます。
これはタモの軽い割に丈夫な性質からきているようです。
モダン仏壇でもよく使用される代表的な木材といえます。
【3】 メープル
メープルはカエデ科の樹木で、メープルとは「カエデ」の英訳です。
北米が主産地で、古くから家具材として使用されてきました。
特に鳥眼杢があるものは、「バーズアイメープル」と呼ばれ、高級な家具材、楽器材として重用されます。
加工はしにくいのですが、木肌のままでも時間が経つと光沢が出る艶が美しく、接着性が良いのが特徴です。
白っぽい色が明るく爽やかな印象でありながら、上品さと上質感、更に強度を兼ね備えていることからモダン仏壇によく使用される銘木です。
【4】 ナラ(オーク)
ブナ科の樹木で、日本から朝鮮半島・中国で産出されます。
心材はくすんだ褐色で、加工性に優れており、着色も塗料の乗りが良く綺麗に発色します。
モダン仏壇の材料としては、天然木の質感を持ちながらストレートな木目があるので、シンプルなデザインのモダン仏壇と相性が良いのが特徴です。
国産のものでは北海道産のナラが良質とされています。現在では輸入材が多く、別名ミズナラといい、アメリカなどに生息している「ホワイトオーク」と同じ樹種です。
【4】 シカモア
カエデ科の樹木で、材は白く加工がしやすく乾燥も容易です。
高級バイオリンやギターの甲板として使われることで有名です。
大変希少な材料なため、お仏壇に使用されることもまれですが、その杢目は非常に美しく上品な雰囲気を纏っている材料です。
【5】 マホガニー
既述のウォールナットと並ぶ、世界三大銘木の一つです。
独特の光沢と褐色の木目があり、世界でも有数の高級木材です。
木の繊維自体に光沢があり、塗装せずに木地そのものの状態でもオレンジ色っぽい鮮やかさがあります。
古来より船室の内装や高級家具材として使用されていました。
お仏壇の材料としては、ウォールナットとはまた違う色の深みをもっており、時間とともに更に高級感のある仕上がりとなっていきます。
いかがでしたでしょうか?
ご紹介させて頂いたのはほんの一部ですが、最近のモダン仏壇を構成する代表的な材料を書かせて頂きました。
ご紹介しきれなかった分に関しましては、またの機会に書きたいと思います。
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