【今治のお仏壇屋さんのコラム ~お念珠あれこれ~】
2017-12-13
こんにちは、田中仏光堂です。
ただ今田中仏光堂では歳末セールが開催中です。
歳末セールではお念珠が通常価格より20%OFF となっていまして、
お求め頂く機会も多いので、今回は「お念珠」にスポットをあてたいと思います。
【1】 お念珠について
念珠(ねんじゅ)とは仏教の代表的な仏具の一つで、数珠(じゅず)ともいいます。
その起源には諸説ありますが、ここでは有名なお話をひとつご紹介しましょう。
古代インドのある王様がお釈迦様のもとにやってきて、 こう尋ねました。
「私の国では戦争が絶えず、作物も実らず疫病が流行し、国を治めることが困難で困り果てています。一体どうすればいいでしょうか?」
するとお釈迦様は「無患子(むくろじ)の実を108個集めて糸でつないで連珠をつくり、それをいつも手にし心から念仏を唱えなさい。
さすれば自然と心が静まり悩みは除かれ、正しい道に向かうことができるでしょう。」
これを聞いた王様は大変喜び、千もの連珠をつくり皆に配ると、それを手に心から念仏を唱え続けました。
まもなく、作物はよく実り、疫病も退散して国王を始め人々は幸せになりました。
この連珠が、数珠の始まりだとも言われています。
その後仏教が発展すると、唱えたお経を数えるための役割や、珠の一つ一つに意味づけがされるなど、時代とともに発展しました。
現在では一般的に自らの信仰を象徴するもとしての意味合いが濃くなっています。
【2】 どのような種類があるの?
片手念珠
もともと念珠のはじまりは108個の珠でつくられた連珠というのは前述でもお話ししました 。
これが人間の煩悩が108個あることに由来していまして、念珠をつまぐり念仏することでこの煩悩から解放されるといわれています。
現在私たちが使っている念珠は、108の珠を基本としていますが、上の写真のように、持ちやすくするために、
半分の54珠、さらに半分の27珠などというように略された形にもなっています。
これを「片手念珠」或いは「略式念珠」などといいます。
片手念珠は特定の宗派用というように決まったものではなく、宗派を問わずお使い頂けます。
これは今治・西条地域に限らず、全国共通していえるお話です。
本連念珠
こちらは宗派ごとに形が異なる、その宗派特有の念珠です。
真言宗でしたら真言宗用、浄土宗でしたら浄土宗用というような具合です。
こちらは108個の珠から成り(宗派によっては108個ない場合もあります)、二連で使用します。
宗派によって特徴がありますが、詳しいご説明はまたの機会にさせて頂きます。
【3】 何でつくられているの?選ぶ基準は?
念珠を構成する材料の主要なものは、天然石、貝類と木材、木の実などです。
珊瑚や琥珀など希少な天然素材でできているものもあります。
簡単にそれぞれの特徴をまとめると、
木でできた珠は軽く、温かみのある手触りが特徴です。長年使いこむほどに色が変化し、
手に馴染んできますので、経年による変化を楽しめる素材です。
天然石は、美しい艶や色合いなどが特徴的です。
石の持つ意味合いなども様々あり、パワーストーンとしての意味を参考に選ばれる方もいらっしゃいます。
経年による変化もすくないので、安心して長くお使いいただけます。
現在、念珠は数多くの種類・デザインがございますので、上記の特徴を参考に、
ご自身の好みに応じてぴったりの1本を選ばれるといいでしょう。
宗派の念珠を選ばれたい方はスタッフまで「~宗の念珠」を探している旨をお伝えくださいませ。
【4】 どこでつくられているの?
念珠は全国各地で作られていますが、特に有名なものは京都でつくられる京念珠です。
京都には各宗派の本山があること、絹織物の産地であるため念珠製作の主要材料である「絹糸」を容易に
入手できる環境などにより、京都に念珠作りが根付いたものと思われます。
「京念珠」は京都の職人の知識と高い技術にささえられているため、高品質で安心して長くお使い頂けますので、
田中仏光堂もおすすめさせて頂いております。
「京念珠」は商標登録を取得しており、上の写真のようなタグがついています。
【4】 お手入はどうすればいいの?
特別なお手入は特に必要はないのですが、汚れた場合は柔らかい布でやさしくふきとってください。
珊瑚、真珠等の素材は手の汗や油に弱いため、使用されたら軽く拭きとっていただきますと永くご使用頂けます。
しまう場合は桐箱や数珠袋にいれてしまわれるといいでしょう。
【5】 ひもが切れてしまった場合はどうするの?
修理前
修理後
万が一ひもが切れてしまった場合は、修理ができますので珠を集めてお店までお持ちください。
房の色も色々と選べますので、新品同様の姿で戻ってきます。
珠を紛失してしまった等で、少ない場合は、足して修理することもできます。
長く使用しているとどうしても、経年劣化などできれてします場合があります。
その場合は、縁起が悪いというわけではなく、「仏様が悪縁を断ち切ってくれた」と考えると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?
念珠についてまとめてみました。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお尋ねくださいませ。
お問合せはこちらから http://www.bukkodo.jp/contact